星占い師 つぼぼのホロスコープ星占い ブログ部

2019年。名古屋ホロスコープ講座は、1月27日(日)、2月3日(日)…。東京講座は2月23日(土)、24日(日)。大阪講座は、5月18日(土)、19日(日)であります。くわしくは、http://tsubobo.com/contact.html

本サイトは http://tsubobo.com ホロスコープを読もう、学ぼうというサイトです。

太陽

12ハウスの男

名古屋ホロスコープ講座に来て頂いている人は、なんとなく、受付の年配のおじさんのことが気になっているかもしれない。
いや、そんなことない。まったく意識したことがない???
まぁ、そんな感じで、軽んじてくれていいのですが、あの定年過ぎて、やることがなくて、家に閉じこもっていて、俺なんて“サンデー毎日”だよ、なんてぼやいているから、心優しい私がバイトの仕事を与えて、外に引き連れてあげた人でして。サンデー毎日というのは、毎日が日曜日という意味であります。熊のように身体が大きくて、妙に眼光が鋭くて、でもって、いつもうつむいている・・・まぁ、受付しているから、うつむいてますわな。
受講者の皆さんからは、“あの人、つぼぼさんの、・・・お知り合いか、なんかですか?”と不安そうに怪訝な表情で質問されたりしますが・・・そうなんですよ。
Sさんというんですけどね、残念ながら、実は私の25年くらい付き合いのある人なんですよ。

Sさんはもともと地方公務員だったんですけど、退職したのは5年ほど前でして。それからは、世の多くのご主人さん同様に、信楽焼きのたぬきの置物のように、家に鎮座、居座ってしまっていると。息子さんたちは独立していて、家族は、奥さんと拾ってきた猫。Sさん、年を取ってしまったから、朝早く目が覚めてしまう。まだ空が白みかける5、6時くらいには、パッと目が開いてしまうそうで。そこで、一人台所に行き、ゆで卵を作る。半熟卵を作ろうとするが、上手くいく日もあれば、そうでない日もある。でもって、そのゆで卵をほおばって、朝食を終えると、またベットに戻る。奥さんとは寝室は別々。奥さんは、毎朝、台所でゴソゴソ音がするから、大きなネズミか、大きなゴキブリでもいるのかしらと思っていたんだそうで。Sさんは自分の寝室に戻り、ベットに横になって、天井の木目の模様を眺め、またウトウトとひと眠りするという具合。
奥さんが仕事に出かけた後で、Sさんは再び目を覚まし、テレビのスイッチを入れる。
「今は便利なものだなぁ。テレビも、エアコンも、電灯もすべてリモコンでできるもんなぁ。」
つまり、一日中、ジャージのようなパジャマのままで、湿気のこもる生温かい布団の中で、ゴロゴロしていられるということですわ。隣の家の似たような年頃の男性とは仲が悪く、2階から窓越しに目が合うと、ぷいっと背ける。近所付き合いも無い。楽しみは、BSで釣りと居酒屋の番組を見ること。家の中にいても、実際に行った気分になれるんですって。釣り好きのSさんは、ベットの中で、日本中の海や川での釣りを堪能できているそうだ。
そんな定年後の生活は退屈過ぎるだろうと、Sさん、最初は予想していたんだが、実際にやってみて、板についてくると、「これがなぁ、結構、心地いいんだよ。」 と馴染んでしまった。

でも、さすがにこのままでは体力が落ちて、将来、寝たきりになっちゃいけないと思い、スポーツジムに通った。65歳と言えば、今の時代、これといった病気もなく寝たきりになるには恥ずかしい。
Sさん、筋力トレーニングをするのだが、性根が怠けものだから、準備運動が面倒くさい。時間がもったいないとそのままトレーニングマシンを始めてしまったら、右足の神経を痛めてしまい、麻痺して動かなくなった。結局、昨年はほぼ寝たきり状態になったと。
“ああ、こんなことなら、始めから、普通に寝たきりになっておけばよかった、医者代がもったいねぇや。”とぼやきながら、1年経って、少しは動けるようになった。けど、用事も友達もないSさんには、外に出かけることがない。
でもって、哀れみを感じて、心優しい私が声を掛けたというわけ。

で、やっと本題の星占いの話にするんですけどね。
このSさんは星が大変偏っていましてね、12ハウスに太陽☉、水星☿、火星♂、木星♃と4つも星が入っている。これはちょっと珍しい。まさに、ザ・12ハウス。
で、ついでに言うと、太陽☉と木星♃がおうし座♉、水星☿はおひつじ座♈、火星♂はふたご座♊。12ハウスが広いのですよ。

12ハウスは、“秘密、人に言えないエリア”という意味と覚えておいてください。
12ハウス太陽☉の人の特徴は、分かりやすいところを言えば、秘密主義者。
太陽のあるハウスはその人が軸足を置くところなんですが、それが秘密の部屋にあるというのはどういうことかというと、他人にはあまり公表しない人。そして、もう一つの顔を持ちたがるということ。だから、会社員の人でも、ネットゲームの世界では、リーダーをやっていたりする。OLさんでも、夜、ホステスさんをやっていたりしてね。

どうしてそうなるのかというと、例えば、スーパーマンやスパイダーマンを思い起こしてもらいたい。スーパーマンの普段の姿は、クラーク・ケントという新聞記者ですよ。もしあなたがクラーク・ケントだとして、仕事でミスをして、上司にバカ、アホ、能無し、役立たずと罵倒されたとする。普通ならそんな全否定に、しゅんとしてしまうところなんだけれど、クラーク・ケントの心中は、・・・“そうは言っても、俺、スーパーマンだしぃ。” そんなんだから、上司の罵倒なんて何にも響かない。
つまりもう一つの顔を持つということは、その人にとって、心の逃げ場を作ることなんですね。12ハウス太陽の人はその傾向が強くなるというわけ。

で、Sさんはどうかというと、熊のような見かけによらず、実は、小説を書いている。プロじゃないから、小説家とまでは言わなくても、まぁ、“小説書き”ぐらいとまでは言えるでしょうな。

これは12ハウス水星☿ということも関係しているかもしれない。水星は、知性、情報、文章という意味でして。
人に見られないようなこっそりとした世界で、黙々と文章を書いているイメージですわな。

12ハウス木星♃は、人に言えないところ、秘密のエリアに財運、仕事運があるということ。風俗など、暗部のね、闇のね、大っぴらに人に言えないような仕事に携わっている人もいらっしゃる。
で、もう1つのパターンとして、副業、サイドビジネスで儲けていたりする人だったりする。ネットの転売なんかでもちゃんと利益を出していたりしてね。

Sさんは、小説を書いているのだが、文学賞の公募ものにいろいろ出してきて、これまでに得た賞金の総額は、な、なんと、1000万円を越えている。さすがに本業の方が収入は多いでしょうが、しっかり銭を稼いでしまう、玄人はだしの、副業的なアマチュアといったところなんですよ。

それでもって、Sさんのおうし座♉ 太陽☉というのは、所得、富、贅沢、快楽を求める傾向が出てくる。
またSさんのふたご座♊ 火星♂というのは、欲望、主張を、コミュニケーション、情報、文章でかなえようとするスタイルを持つ傾向が出てくる。
なるほど、小説で賞金稼ぎね。

私がSさんと知り合ったのは、私が大学を卒業したての社会人1年目の頃でして。
大学時代の中国人留学生の友人と、ある日中文化友好の新聞を名古屋で作ろうみたいなサークルに、ふと参加した時に紹介されたんですよ。
Sさんは気象庁に勤めていたのだが、ある小説の文学賞で大賞を獲って、賞金も200万円も手にし、いろんなところから“書かないか”というオファーがあって・・・だけど、書き貯めた作品が無く・・・先走って、気象庁を退職していましてね。そうはいっても、書くこと一本で生きていこうということも貫けず、結局、市役所の福祉課の非正規職員として、雑務の仕事に就いていた。雑務って、まぁ、具体的に言うと、老人施設で朝から晩まで皿洗いをしていたということですよ。

そんなSさんに、 “お前、面白いやつだな” ということで、私はSさんの家に月に一度くらいのペースで遊びに行くことになる。
私は、哲学科を大学で専攻していたような人間なので、実は小説にはまったく興味が無くてすね。けれども、Sさんの家には、本棚に“どうだ、俺は知識人だろう”と強くアピールするように、多くの本が並んでいましてね。Sさんは、そこから、私が好みそうな作品をいつもピックアップして数冊貸してくれたんですよ。
私が小説を面白がるようになってくると、今度はSさんに“小説を書いてみろ”と言われるようになり、短編なんかを書き出す。で、Sさんに読んでもらい・・・添削をしてもらう。ここの文体はどうとか、表現がどうとか、場面の描写がどうとか、人物像の描き方がどうとか、リズムがどうとか・・・。
で、私も地方の文学賞にも応募するようになり、3次選考ぐらいまでなら通るくらいの力を身に付けることができるようになったんですよ。ありがたいことに。でもね、私の場合は、同時に絵の方が入選、入賞して賞金を得るようになりましてね。海外にアートショーなどに出品する機会が出てきてたりして・・・絵の方が結構忙しくなってきたので、小説を書かなくなるんですけどね。
まぁ、こんな風に、ブログは書いてますが。

で、話が逸れましたが、話をSさんに戻すと、12ハウスに火星♂も入っている。
火星のあるハウスは、その人にとって、リングとなる場所を意味してまして。リングというのは、ボクシングとかレスリングとかのする試合の舞台ですよ。真剣勝負をする場所であるし、場合によってはケガをする場所という意味。
12ハウスに火星♂があると、陽の当たらない、闇の中など、人目につかない場所で闘うということになったりします。もしくは、12ハウス火星は戦い方、敵の攻撃がステルス、見えないやり方になったりするんですよ。根回しとか、密告とか、嫉妬とかに気を付けたい星並びですな。

で、Sさんは、とある市の公務員試験に受かり、市役所の福祉課で働くこととなる。まぁ、役所の中で、福祉課というのは、どちらかというと皆やりたがらない部署だそうで。生活保護とか、生活困窮者対策など、神経をすり減らすような仕事も多いですからね。
でも、12ハウス火星のSさんには、うってつけだったのかもしれないんですよね。世の中的に見て、暗部の仕事だからね。
1,2年、普通に福祉課で働いていると、そのうちに市役所の上の人に、Sさんが小説で賞を獲っている人間だということが伝わり、“そんな人間ならば、苦しんでいる人の気持ちがよく分かるだろう”ってんで、より専門性の高い児童相談所に勤務することとなる。

児童相談所というのは、家庭環境に問題があったりする場合にその子供を保護したりするところですよ。
近所の人から通報があって、虐待が行われている家庭に、児童相談所の職員が訪問しても何もすることできず、手をこまねいているうちに、子供が死亡するなんていうパターンのニュースがテレビでよく報じられたりしてるでしょ・・・その児童相談所ですよ。Sさんの仕事はそんなんだったんですよ。

ただSさんの場合は、そういった暗部の、闇の仕事の方が燃えるし、合っていたのかもしれない。
12ハウスに火星♂と、仕事の木星♃まであって、“人に言えない仕事”っていうわけですからね。

Sさんからは濃い武勇伝を聞かされてますよ。
何度も同じマンションに訪れ、育児放棄した若い母親を説得し続けて、子供を保護したとか。
夫の暴力から逃れるため、ワンボックスカーで人目に触れない時間に訪れ、猛スピードで荷物を積み込み、母と子を載せて、深夜の高速をぶっ飛ばして、金沢の母子寮まで行ってしまうとか。家に居られないヤンチャな中学生十数人と施設で一緒に寝るとか。
“俺の子供をどこにやった” と怒鳴ってくる血の気の多いヤクザみたいな男相手に、立ち向かわなかんとか。
そんな風にこわもての男を相手にするにも・・・Sさんは、身体が大きいし、目つき悪いし、動揺しないし、ということで普通の職員、まぁ、運悪く人事異動で福祉課にやってきただけの市の職員さんには、到底相手にできないような人ともぶつかれてしまう。
そんな大声でまくしたてる男を相手に、話が6,7時間に及ぶことはざらにあって・・・そうなると双方がともに疲れてきますわな。大声出し続けていますから。頭がぼーっとしてくる。
そんな時に、Sさん、決め技を放つ。

「あんたの心の中には、“淋しさ”という蛇がいるんだ。
その蛇がな、毎日の精一杯の生活に疲れて、どうしようもなく暴れたくなる時がある。それが自分の心に向かって牙をむくんだ。あんたはその痛みに耐えかねて、ついこう(手振り)拳を握って、暴力をしてしまうんだ。
・・・(じっと目を見て)俺には分かるんだよ。」

こんな、小説書きが適当に繕った言葉にも、 “分かってくれるのは、あんただけや”と、こわもての男はつい涙してしまうと。かつ丼なんか頼まなくても、十分に落とせてしまう。
他にも、子供のために、拳銃をどうしようかと相談にやってきたヤクザな父親から
「あんたはなんでこんな仕事をしているんだ?」という質問をされ、
「俺にも家族がいてな、ちっちゃな家が郊外に建てたんだよ。家族を養って、家のローンを払ってな。俺は中途で入っているから、給料安いんだ。後ろにいる若い課長さんたちとは違ってなぁ・・・。(苦笑)」と、周囲で関係者が話を聞いている場でも、腹を割って話し込んで・・・皆人生そんなに明るくないよ、みたいな話に仕立てて・・・
で、そのヤクザな男性は、後日、拳銃を持って自首したと。
Sさん、そん時は、警察署からえらい感謝されたんですって。

こんなんだから、児童相談所という仕事においては、逸材のせいか、ピンチヒッターで全国の児童相談所に呼ばれたんだそうで。時に、“なじみ客”があって、横浜のやっぱり怖いタイプの男性は、Sさんを“ご指名”してきたそうだ。
「Sさんを出せ。Sさんが来たら、話してやる。」という具合。
で、全国各地へ出張したりしていて、本来ならば、エース的な存在になりそうなんですがね、・・・Sさんは、“ 大人嫌い系 ”だからね・・・職場での人間関係が悪く、汚れ仕事ばかり回ってきて・・・毎朝、児童相談所に出勤することを考えると半ばうつになっていたんですって。

12ハウスの説明を繰り返しますが、12ハウス火星♂というのは、密告とか、嫉妬とか、裏切りという意味もある。 “汝、背中から刺されないように注意しろ”との言われる星並びだ。

児童相談所という時に暴力的、破壊的な家庭環境の人たちを保護する仕事をしていましたが、Sさん自身が実はそういった家庭で育っている。
世に言う、複雑な家庭環境ってやつですよ。
Sさんは、小学校の頃、学級委員に選ばれたことがあるんですよ。これは、めでたい、自慢ですよ。
家でも、近所でも、“おお、Sくんが学級委員ね”って、珍しく褒められたりしてね。
ところがですよ。ある日学級会でね、同級生から家庭の暗い内情を指摘されて、
“そういう家の子が、このクラスの学級委員をやるというのは、ふさわしくないと思います。”
という形で告発されてしまう。まだそういう時代だったんでしょうね。ついには議題に発展し、どんな家族か、家庭かが明らかにされてしまい・・・子供の世界というのは、生々しく残酷なもので・・・そんな弾劾裁判が行われ、多数決で学級委員を降ろされてしまう、という体験をしている。
あまりに惨めで、屈辱的で、今もトラウマになっているそうで。

このパターンもそうですが、12ハウス火星♂の戦いは、ステルスで、敵が見えない。正面から堂々とやってこない。密告、告発といった形だったりするわけですよ。

これは攻撃のされ方だけでなく・・・残念なことに、本人の戦い方も、同じように正面切っての方法でなかったりするんですよ。

Sさんは、児童相談所で働いていたんだけれど、ほんと大人しく働いていればいいものをね・・・子供たちや家族の保護の仕方に問題がある、このままは危険が大きくなると、外へ内部告発をしてしまったんですな。内部告発するような内容だから、細かくはここでは言えないんですけどね。

Sさんの火星♂はふたご座♊にある。欲望、主張を情報や文章で訴えようとするんですな。実は水星☿はおひつじ座♈にある。文章を書くことで情熱的になるという意味でして。
ふたご座♊の守護星は水星☿。おひつじ座♈の守護星は火星♂。お互いの守護星が、ふたご座♊火星♂、おひつじ座♈水星☿のように入れ替わって、相手の星座に位置することを、星占い用語でミューチュアル・レセプションという。早い話、よりその傾向が強くなってしまうということですよ。そもそもふたご座♊火星♂も、おひつじ座♈水星☿も性質は似てしまうから、・・・2倍になる感じ。
まぁ、Sさんはね、変なところで正義心が強く出て、損してしまうタイプなんでしょうけどね。

Sさんの児童相談所内の問題を内部告発した文章は、パソコンのワープロソフトで書かれていたんですけどね、
しかし、送った封筒がね・・・手書きだったのよ。
で、Sさんは、児童相談所の上司に呼ばれ、
“この封筒の字は、君のだよね?”
と他の手書きの文章と並べられ、上司、同僚たちに囲まれ、にじっと睨まれ、責められ、・・・ついには、大岡越前に出てくるおしらすの下人のように、観念したと。
普通は、役所の場合、定年退職しても、再雇用先の仕事を紹介してもらえるのだそうで。だけど、Sさんは、そんなことがあったもんだから、“オファーは無いね”と言われて、役所を蹴り出され、家でぼーっとBSの釣りと居酒屋の番組を見て過ごす、信楽焼きのたぬきのような生活になってしまったと。

ということで、Sさんは、“サンデー毎日”で、家の中でごろごろしているのだが、諦めもせず、小説の方は今も書き続けている。
つい先月は、ある地方文学賞で佳作を獲ったので、その授賞式に静岡県に行ってきた。普通から言えば、佳作獲るだけでもすごいっ!となるところだが、同じ地方文学賞で、昨年も佳作を獲っている。つまり2回連続佳作ということ。
本人は嬉しくとも何ともない。むしろ口惜しい。ただ賞金の5万円をもらうために、交通費も出るので静岡県まで行っただけのことだと言って、むすっとした顔が余計にむすっとしている。
小説の分野で、賞も獲っているが、佳作も結構、獲っている。9回も獲っている。最近は特に多い。
だから、周囲から“ 佳作の人 ”なんて呼ばれている。

でもね、神様はちゃんと見てますよ。
そんなSさんに注目する出版社も現れてね、数年前に、初めて本を出版したですよ。
“名古屋にこんな逸材が埋もれていたんですねぇ”って、“先生、先生”ってな感じでね。
自費出版ではないはなく、ちゃんと出版社の方から、お願いしますと頼まれているところなんかは、さすがSさんですよ。一途に頑張り尽くした人間には、拾う神様というか、拾う編集者も現れるということですよ。
これまでの公募に出した作品を集めたものでね。ハードカバーの本なんですよ。ずっしりと重いですよ。ほんとに。そしてちゃんと本屋さんの目立つところにも平積みで並べられたんだそうで。
でね、売れた冊数が!!!・・・たったの8冊。

その本の題名が、
『ちょっと寂しい』。
出版社や本屋さんは、 “ とっても寂しい  ”。

でも、滅入っていても仕方ない。Sさんの人生にはたっぷり時間があるので、小説を書き続けていて、今年も賞金目当てに地方文学賞を狙っている、らしい。
木っ端役人だったから、年金が普通に公務員をやっていた人よりかなり少ないって、よくぼやいてますからね。

名古屋ホロスコープ講座に出席されている方は、前を通られる時に、ちょっと気に掛かりましたら、まんじゅうでも供えて、手を合わせてやってくださいませ。

おやおや、いけない。
調子に乗って、ついついべらべらと話し過ぎちゃいましたね。
きっと、これも “ 密告 ” ですな。


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愛の鉄板法則⑪  ぬくぬく星

人は見かけで判断しない方がいいってことがだんだん理解できるようになったでしょ。
見かけというのは、カッコいいとか、かわいいとか、そんな外見だけじゃないわよ。
お金を持っているとか、頭の回転が速いとか、堅実な性格とか・・・、相性診断においては、そういったものも“見かけ”と言っても、言い過ぎじゃないわね。
だって、個々では将来有望そうな人でも、2人で組んだら、まったく別人のような作用になってしまうこともあるんだからね。
さらに良くなる場合もあれば、そうでない場合もね。

で、いわゆる“ ダメになる ”星並びもあるということも分かってきたでしょうけどぉ・・・。

そう、けんかするようになったり、頑張り過ぎて疲れてしまったり、重圧を掛けあったりしてねぇ、そういうカップルで見ていて痛々しいものね。
でもねぇ、痛々しいものだけが、人間をダメにするわけじゃないからね・・・。

えっ? どういう意味かって?

ふふふ、人間には“ 堕落 ”という心の魔があるのよ。
痛みでなく、甘さが人間をダメにするもの。
その星並びが、金星♀×太陽☉の凶角、もしくは金星♀×金星♀の凶角。この2つのパターンの星並びよ。
名付けて、“ ぬくぬく星 ”。
金星というのは、甘えという意味ね。凶角(90度、180度)というのは、英語では“ ハード ”アスペクトで、強すぎて害になるという意味なのよね。薬でも飲み過ぎると、身体に害になるでしょ。お酒も飲み過ぎると、二日酔いになるし、肝臓にも負担かかっているし。甘いものや脂っこいものばかり食べていれば、体型も丸くなって、中性脂肪も増えるし・・・。

甘えも度を越すと、害になるのよね。
甘えの金星♀も強くなり過ぎると、人生や生活に悪い影響が出てくるということ。
だけど、厄介なのは、反省が足りない、止められない・・・。
金星♀の甘えが太陽☉(=本人自身)との凶角(90度、180度)、金星♀同士の凶角というのは、甘えが強く出過ぎて害になるのよ。

その現象というのが、まさに、冬の朝のぬっくい布団の中のあなたの状態なのよ。
起きなきゃいけないのに、“ あと5分だけ、あと5分だけ ”とずるずる布団から出られずにいる・・・。
だってさ、寒い朝の布団、毛布に包まれていることの幸せなこと!
ああ、一生、私を放さないでって感じよね。このまま布団になりたいと何度思ったことか。

ダブルチャートで、現在の運気を鑑定する場合、この金星♀同士、もしくは金星♀と太陽☉の凶角があると、やっぱり甘えの度が過ぎてしまうのよね。気が緩んでしまうというか。慢心してしまうというか。調子に乗ってしまうというか。
では、いつものように、ホロスコープチャートを作ってみましょう。
例えば、このサイトで作成してみてね。
http://www.m-ac.com/pages/doubleset_j.php
内側の円に自分の生年月日を入れてみてよ。「ハウス無し」でいいわよ。
外円は「現在時間」をクリックしてね。
自分(内側)の金星♀と、外側の金星♀ or 太陽☉が90度、180度の凶角。
もしくは、自分(内側)の太陽☉と、外側の金星♀が90度、180度の凶角。
この2つの組み合わせが対象となるのよね。

私のおじさんというのは、もし生きていたら、90代前半ぐらいになっていたんだけど、戦争中に中国で亡くなっているのよね。戦死ですよ。もちろん、私は顔を合わせたことなんて一度もない。で、長男らしく真面目で優秀な人だったらしいんだけど、地雷を踏んで亡くなったらしいのよ。で、その戦死した日のホロスコープを見たら、それほど特別悪い運気はなく、ただ、この金星♀×太陽☉の180度凶角ができていたのよね。油断してしまったんでしょうね。案外、激しい戦闘中ではなく、普段の見回り程度の任務だったかもしれない。大陸の乾いた空気の晴れた日に、草原を歩いていて、空を見上げたら、ゆったりと雲が流れていて、少し気の向くまま歩を進めた程度かも・・・。
戦争中だと、こんな星並びでも命を落としてしまうことになるのよね。
現代人の私たちでは、怠けがちになる、遊びたくなる、緊張感が無くなるなんて形で出てくるから、鑑定していて過去の話を聞いていても、印象や記憶に残っていないことがほとんどね。
それほど、ぬるい 害なのよ。

油断、堕落という甘さが出てしまう星並び。
2人の相性診断で、この金星♀×金星♀、金星♀×太陽☉の凶角があると、“ ぬくぬく星 ”となるのよ。
だらだらと甘え合ってしまう相性となってしまう。
これも上と同じく、ダブルチャートでホロスコープを作っていくのだけれど、内側に自分の生年月日、外側に相性を診たい相手の生年月日ね。今回は金星♀と太陽☉だけの関係だから、出生時間はあまり関係ないわね。適当に12:00でいいわ。
「ハウス無し」ね。
どう? 金星♀と金星♀、もしくは金星♀と太陽☉が90度、もしくは180度の位置になっているかしら? 
180度の方が、凶角の作用が強いわよ。
2人でこの星並びができると、甘えの度が過ぎてしまうようになってしまうのよね。

冬の朝に毛布にくるまれていると、とても幸せな気分になるわ。
“ あと5分だけ、あと5分だけ・・・ ”とずるずるしてしまう。しかし、そのままでは後で急ぐことになったり、下手をすると、遅刻してしまうことは十分に分かっているのよね。昨日の朝もそうだったしぃ~~みたいな。
でもね、頭で“ 悪い ”分かっていても、どうにもその甘い誘惑と心地良さに負けてしまってね。

実際、ホロスコープ講座に参加している人に、金星♀×太陽☉の180度凶角が彼氏と2つできているという女性がいてね、つまり“ W(ダブル)ぬくぬく星 ”ということなのよ。
本当はこの“ ぬくぬく星 ”の害はぬるいものだから、他の凶角の害であまり目立たなかったりする。この星は伏兵的な、潜んだ存在になりやすいわ。害のある要素の1つという具合ね。
でも、さすがに同じ組み合わせの星並びが2組あれば、その作用はかなり前面に出てくるわけよ。
事実、2人でいると、よく仕事に遅刻したそうなのよ。あと、もともとくされ縁(Tスクエアやグランドクロスなどの強い凶角)がある相性なんだけど、苦しいことがあると、どうしてもこの相手を求めてしまうそうなのよ。つまり、逃避する場所となっていたということよ。生活もだらしなくなっていったんだって。そりゃそうだわな。お部屋の中を想像したくないわ。
“ ぬくぬく星 ”。
“ ダメだ、ダメだ、それはやってはダメだ、うぉ~~ ”
という言葉が、頭の中で何度も湧いてきて、ぐるぐると回るのだけれど、どうしてもついにはそこに堕ちてしまう。
そして、シンジくんのように自己嫌悪に苦悩することになる・・・。

人間の心の弱さを突いてくる星並びなのよ。

でもさ、冬の朝の毛布は幸せなものですよ。
人によっては、これを積極的に選んでしまう人もいるし、そもそも、“ どこかいけないの? 気持ちがいいからそれでいいじゃん? 最後はなるようになるよ。”なんて考えを受け入れている人もいるだろう。

このままでいいじゃん。・・・遅刻してもいいかな。

そう割り切ってしまえば、この金星♀×金星♀凶角、金星♀×太陽☉凶角は、まったく幸せなカップルだったりする。
建設的、生産的ではないけれどね。

あら、いやねぇ、こう書いているうちに私もこれでいいような気がしてきた・・・。
あ、いけない、誘(いざな)われているわ。
ぬくぬく星。
いっそすべてを忘れてしまおう・・・ぬっくいから、目をつぶって、ウトウトと・・・。
まったく魔物の星並びだわ。


Klaus Nomi (太陽と冥王星が凶角の著名人)

太陽(自我)と冥王星(破壊と再生、審判)が凶角で生まれると、悲劇的な人生を歩むのではないかと不安に思っている人から書き込みがあり・・・、悪魔にでも憑りつかれているとでも思っているのかしらねぇ。
 
まぁ、ここで、太陽と冥王星が凶角180度を組んでいる著名人を紹介してみようと思うのよね。
クラウス・ノミ。1970年代から1980年代の始めに現れ活躍した、天才アーティスト? パフォーマー? 分野としては、音楽なんだけど、どんなジャンルかというと、まぁ、ディスコ、クラブ、オペラ・・・、彼をどう捉えるかはかなり難しい。一度、YouTubeで観てみるといいわね。とにかく派手さもあるけど、ベースにしっかりした歌唱力があるので、今観ても全然色褪せなていないわけよ。曲の作りやアレンジは古い感じがするけど、そこがまた新鮮で、カッコいい!! 分厚いロックが全盛の時代に、かなり個性を出しているから、時代を感じさせないんだよね。
こんな感じ。



いかにも、冥王星、プルートから来た人って感じ。きゃっ、ステキっ。
あらあら、太陽と冥王星が凶角生まれの人を慰めるつもりで書きはじめたのに・・・余計に落ち込ませてしまったかしら?

生年月日は1944年1月24日。ベルリン生まれ。

生まれた時のホロスコープを見てみると、実に太陽、海王星(感性)、天王星(ひらめき、個性)、火星(力)の4つの星で幸運の大三角形を作っている。海王星と天王星が吉角のアスペクトを作っていれば、センスとアイデアにおいて、他の追随を許さないとされている。しかもクラウス・ノミの場合は、太陽、火星とともに幸運の大三角形を作っているんだから、まぁ、この時点で、かなりのアーティスト、表現者と言えるわね。
さらに、木星(拡大)と金星(美)が吉角120度を形成している。芸術的な才能は、人気と富を得るのに十分なほど持っている。
これは完全に芸能界でも、芸術家としても、大スターになる星並び。

でもね、たいがい、吉角だけの人間って、子供の頃から恵まれていて、安穏とした性格になってしまって、飛び抜けた才能を発揮することにはならないのよね。運の流れで、そのまま、ほどほどのスターになってしまう可能性は十分にあるけど・・・。

クラウス・ノミを見ると、一目で感じるけど、ものすごい破壊力があるのよね。突破力というのかな。

天才。
これぞ、太陽と冥王星が凶角の人間の為せる技なのよ。太陽と冥王星が吉角の人間は、権力を握るような高い位につきやすい。凶角は、強過ぎて~、そもそも太陽と冥王星がアスペクトを組むと、天の力が備わってしまうのよね。(もう少し星占いに詳しい人に説明するならば、彼はドラゴンテイルも冥王星と重なっている。ということは、ドラゴンヘッドは太陽と重なっている。これはそうとうなパワーを持っている。)

クラウス・ノミの派手さ、破壊力に目がいってしまうけど、よく見ると、実にいい音感をしているのが分かる。この曲での彼のダンスを見れば、理解できるわよね。身体中がアンテナのように敏感なのね。中盤のパフォーマンスは特にカッコいい。こんなのトーク番組の終わりにおまけで出すようなレベルじゃないと思うんだけど。



1944年1月、ベルリン生まれ。まだこれは第2次世界大戦中。彼は乳児の時期を、戦争末期のベルリンという悲惨な環境で育つことになる。連合軍の空襲とソビエト軍の侵攻で、ほとんど死と隣り合わせで市民は逃げ回っていたような状況だからね。彼の情緒面での生育に影響が無いはずがない。
青年となり、彼はオペラ歌手を目指し、ベルリンの音楽学校を出て、アメリカに渡る。でも、なぜか、生活費を稼ぐための仕事、ホテルのパティシエとしての才能も開花させているのだ。芸術のセンスはずば抜けているからね。金星と木星が吉角を作っている人は、女性を相手にした商売なら、何でも成功してしまうのよねぇ。

そして、音楽の世界へ進むのだが、目指していたオペラとは違った形になってしまう。

彼はどのようにして、オペラからPOPミュージックに流れたのかは分からないけど、かなりの失望や絶望があったはず・・・。

冥王星は審判の星で、アスペクトを持つ人は、まさに天の力がかかる人。特に太陽(自我)とアスペクトを持つと、天の力を授かってしまう。コントロールのしやすい吉角(イージー、ソフトアスペクト)の人は、権力や地位をするりと受け取って、行使することでしょう。でも、強く出すぎてコントロールの難しい凶角(ディフィカルト、ハードアスペクト)の人は、我欲が異常に強くなってしまうかもしれない。パワーも強い。でも、天はその人生を修正しようとする。その修正の仕方が、これまた、破壊的で強引なのです。冥王星と太陽を凶角に持っている人の中で、人生を強い力で導かれていたと感じた経験を持つ人は結構いるのではないかな? それまで必死に努力して築いてきたものが、一瞬で砂の城のように崩れ去ってしまったような体験。そしてその人の進むべき道へと引き動かしてしまう。一方、太陽と冥王星のアスペクトを持つ人は、はい上がる力も備わっている。だから、その修正された道でまた動き出す。

これ、すなわち“破壊と再生”なのだ。


このブログは2013年6月の終わり頃に書いているけど、7月1日ごろには、太陽と冥王星が凶角180度になる。そして、変化の天王星と合わせて魔のTの字を形成する。完全に破壊的な変革の星並び。同時に、海王星、木星、土星が幸運の大三角形を形成する。海王星と木星で、実力以上に評価されるバブル星に、堅実な土星が加わってのトライアングル。
つまり、まもなく、芸術面ではないけれど、経済面で何らかの破壊的改革者が生まれてくる可能性があるのよ。孫正義レベルかしらねぇ、それ以上に、強力かしら。世界のどこで生まれてくるのかしら。その“天才”さんは、30代くらいで才能を世に見せつけることになるのでしょうね。まぁ、つまり我々、凡人は、そのインパクトを起す人物の出現を2040年代か50年代に見ることになるでしょう。


天才。
クラウス・ノミは39歳という若さでこの世を去る。
もし、今、生きていたら、70歳。十分に存命の可能性はあったろう。天才は短命というのがお決まりだからね。
死因はエイズ。
クラウス・ノミはエイズで亡くなった最初の著名人としても知られている。ゲイだったのだ。
当時は、その死の直前の闘病生活は、周囲からの差別との闘いでもあったかもしれない。
あまりに、色の強い人生だった。


天の力が強過ぎて、コントロールが難しいのですよ。太陽と冥王星が凶角(ハードアスペクト)の人はね。強過ぎるが故に、飛び抜けることができるのですよ。

生まれた時のホロスコープで、太陽と冥王星がアスペクトを組んでいる人は、正しく生きること、自分のすべきことは何なのか、を意識していきることが求められるのよ。特に凶角を持っている人は、人生に何度も奈落に堕ちるような体験することになるかもしれない。でも、はい上がるための強力な力も持っているから大丈夫。そして、天はちゃんと、行くべきところへ導いてくれる。それを受け止める。

これ、太陽と冥王星がアスペクトを持った人の運命。


では、最後にクラウス・ノミの死の半年前のLive映像をお送りしましょう。
代表曲?のThe Cold Song 。



クラウス・ノミが、“幸せ”か、“不幸”かという区分で言えば、“不幸”だったんだろうね。
3曲とも共通していることだけど、歌っている時の彼の眼を見れば、分かるわよね。大いに光に飢えている。風景を見ることに飢えていると言ってもいいかな。失望をいっぱい知っている人の眼だよね。

ホロスコープの冥王星の凶角って、だから、本とかの文字で表現されると、どうしても、ツライとか、気をつけようとしか書きようがなくなってしまうのは仕方ないかな。
じゃ、なんで、私がクラウス・ノミを例に挙げたかというと、“感覚的”に分かって欲しかったのよ。

彼は、まぶしいよね。 
幸せとか、不幸とか、そんな次元じゃない輝きを放っていて、まぶしいんだよね。

自分のホロスコープが、太陽と冥王星が凶角であっても、凹むことないんじゃないかな。
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