大阪では、道を歩いていても、知らない人が気軽に声を掛けられるというが・・・それはないな。

でも、お昼に昭和の匂いが残る定食屋さんに入ると、おばちゃんたちは親しげに声を掛けて来てくれるのは本当だ。お釣りを返してくれる時にはにこやかに手を握ってくる。

あるお好み屋さんに入り、カウンターに座って、壁に貼ってある短冊の「とんぺい焼き」という文字が目に入ったので、
「とんぺい焼きって何?」と訊いた。
コの字型のカウンターの中で、白い半袖シャツで鉄板に向かっている、60代ぐらいの男性。おそらく店の大将だろう。日焼けした彫の深い顔の大将は怪訝そうに、

「あんた、大阪もんじゃないな。」

で、大将は“とんぺい焼き”というものをさらりと簡単に口で説明し、また顔を鉄板の方に戻すと、手元のヘラで鉄板をカンカンと叩いて、
「お薦めはお好み焼きだよ。今、焼いてるのは、ねぎ焼というものだけどね。」と文章では表現できないベタな大阪弁で答えた。神戸や京都とは違う、吉本新喜劇に出てくるような大阪弁だ。

大阪人はサービス精神が豊富だ。一人でいる者を見ると、声を掛けずにいられない性格の人が多いのだろう。
その大将に、どこから来たのかと尋ねられたので、“名古屋から来た”と答えると・・・・
にこやかな顔をして、「名古屋かぁ、行った、行った・・・」
と威勢よく言葉が返ってきて、

「・・・28年前に。」

“28年前”と中途半場な昔話の会話に戸惑いながらも、まぁ、名古屋は陰が薄いから仕方ないかなと納得していると、大将は、

「中日クラウンズというゴルフの大会があってなぁ、それに行ったんだよ。」

とゴルフの大会の話に転がっていった。
でも、私はゴルフはやらない。大将は話に乗ってこられない私を見ると、今度は、そのゴルフの大会の賞品のクラウンというトヨタの高級車の話になり、でも、クラウンでは双方とも話すことが無く、袋小路になっていると、

「あのプリウスっていう車は、最初は変な形しているなぁと思うんだけど、時間が経ってくるとだんだんカッコよく見えてくるんだよな」

と話がプリウスに展開していった。
一人でいる人を見ると、声を掛けるというのが、大阪人の良さならば、人の良さが空回りしてしまっているような・・・なんだか、こう人がいいと、ほんと話に乗れない私の方が申し訳なくなってくるような。

大阪梅田のJRA馬券売り場の周囲の飲食店は、土日にはほとんどすべてのお店が競馬の中継をやっていて、喫茶店、食堂、お好み焼き屋、韓国料理屋・・・店の窓に「競馬放映中」という紙が掲げてあったりする。競馬新聞を片手にむすっとした顔のおっちゃんたちが、ぽかんと口を開けてレースを眺めている。食べかけの定食と、泡が消えてしまったビールがテーブルの上にある。中山とか京都とか、各地のレースが次々に画面に映されていく。顔が赤くなっているおっちゃんたちは、力の抜けた目でじっと睨んでいて、レースが終わっても、感情が上がることも下がることもない。そんな顔は、・・・おそらく外したのだろう。
土日だけの常連のようなお客がいて、“久しぶりやなぁ、○○ちゃん、どうやったぁ”とか、お店のおばちゃんが声を掛けたりしている。でも、“おおっ”としか答えなかったりする。

そんな競馬好きのおっちゃん達のアイドルとして登場したのが、藤田菜七子さんだ。
今年、競馬学校を卒業したばかりであるが、久々に現れたJRAの女性騎手として注目を集めた。彼女のルックスも手伝い、デビュー以来、人気はうなぎ登り。当たらない競馬通のマツさんの話では、彼女がレースに出ると、その競馬場の観客が数千単位で増えるという。だから地方競馬場からの呼び声は熱い。マツさんも毎週、彼女の乗る馬に100円入れている。自分が賭けている枠とは別に、彼女の馬におまけ気分で“入れている”のだ。賭けているのではない。そんなおっちゃんたちが多いから、自然と藤田菜七子さんのレース前の人気順位は高くなっている。
乗馬のセンスは良いとか、いろいろ言われる一方、なかなか実績を上げることができずにいたが、ここ最近、やっと力を発揮してきたようだ。ただ実力以上にデビューから紅一点の若い女性騎手の登場にメディアが集中した。3月にはホリプロとも契約し、騎手だけでなく、タレントとしての活動も始めた。

で、彼女のメディアでのブレイクと、星並びに現れているかというと・・・。

藤田菜七子さん
1997年8月9日
いつものように彼女のホロスコープを診てみよう。ホロスコープのソフトをお持ちでない人は、インターネット上のMy Astro Chart というサイトなどを利用してみましょう。
例えばMy Astro Chart では、
http://www.m-ac.com/double.php
の内円に彼女の生年月日を入れ、生まれ時間は分からないので、“適当に”12:00と入れて下さい。ハウスは無しです。生まれ時間が分からない時にハウスを作ると読み間違えます。
外円では、“適当に”2016年4月1日を入れてみてください。時間は同じく適当に12:00と入れて下さい。
そして、二重円を作成してください。

内円が彼女の性格などを表していて、私のアスペクト表で調べてもらえれば、いろいろと見えてくる。太陽と木星が180度凶角で、大ざっぱで自信過剰なところがあるでしょう。また火星と海王星が90度凶角、感情に火が付きやすいというところで、興奮しやすいことでしょう。私のアスペクト表にはまだ無いところで、金星にドラゴンヘッドが重なっていて、自分の好きなことを強く求める、人気運が強いとか、キロンが火星に重なっていて、身体を鍛えたがるとか健康に気を使うという点があるけれど、それは解説の機会があれば、また今度に。

で、今回注目したいのが、彼女の水星に、現行(外円)の木星が重なっているということ。
これは水星、つまり情報が、木星=膨らむ、利益になるということを表している。昔の星占いのテキストならば、情報が利になるということで、“耳よりな情報が入ってくる”という意味に解釈されていた。今もそういう意味はもちろんある。
でも、私が鑑定していると、最近は“メディアに取り上げられる”“メディアに登場する”という現象がよく起こっている。

彼女の水星位置と木星が重なったのは、昨年の10月頃からである。その後、現行の木星は今年の1月10日に逆行を始め、5月9日に順行に戻った。木星は振り子のような動きをして、おとめ座の10度~20度の間を行ったり来たりしたのだ。藤田菜七子さんの水星はおとめ座15度付近にあるので、現行の木星は3回重なることになる。しかもその間、彼女の水星とは影響範囲のほぼ5度以内に入っている。つまりずっと水星と木星の“情報が利になる”吉角効果が続くということである。今年の8月までは続く。

さらに彼女の金星もおとめ座20度付近にある。金星と現行の木星が重なる時は人気運が高まる時である。

さらにさらに、現在の冥王星が彼女の水星や金星の吉角120度位置にある。冥王星は頂点、莫大という意味がある。彼女の水星と現行の木星が重なった効果を頂点レベルに増大させる。

彼女の金星と、現行の冥王星も吉角120度を形成していて・・・。

まぁ、そんな華やかな星回りが水星・木星の吉角を相乗効果で増強させていることもあって、8月まではメディアでの人気はまだまだ上がっていくことだろう。

で、今回紹介したいのは、この水星と木星が0度で重なる時は、藤田菜七子さんの例ではないが、現在ではメディアに露出する可能性があるということだ。

私が鑑定した例で言えば、本人の水星と現行の木星が重なった時は、
・NPOの代表がテレビに活動が2度取り上げられた。その2度とも本人の水星と現行の木星が重なった時だった。(木星は年に一度は逆行するので、2、3回重なることはよくある。)
・勤めている会社の新聞広告に出た。女性も活躍できる職場ですといったニュアンスで、でかでかと新聞の半面くらいの大きな広告に笑顔の写真が載ったそうだ。
・自社テレビCMに出た。社内の女性が2人選抜されたのだが、その人一人に選ばれたそうだ。白い衣装をまとい、歌って、踊って、最後は乗り物に乗って、そのまま宙に舞い上がっていくというものであった。鑑定した時に、YouTubeにアップしてあるというので見てみたら、私があまりにインパクトがあるので、ごはんを食べながら愕然とした覚えのあるCMだった。

藤田菜七子さんでなくても、自分の水星と、現行の木星が重なる時はそういったメディアに出られるチャンスが訪れることがあるようなのだ。0度吉角が一番強力なので、現れやすいようだが、120度、60度、グランドトラインなんかでも起こるのかもしれない。

私はテレビの業界については多少詳しいので、テレビを例に話していこう。
テレビの放送に関わる者には3つの形がある。見る者、作る者、出る者だ。
良い番組が出来た時、最も恩恵を受けるのは、この中で“出る者”だ。その次に“作る者”。最後に“見る者”だろう。
芸能人なんかはもともと出演料というものがあるから、経済的に得られるものが大きい。

で、水星と木星の吉角が、“情報による利をもたらす”という力を発揮するならば、テレビ、ラジオ、新聞といったマスメディアの無かった時代は、“耳よりな情報が入ってくる”という受け身しか無かった。ところが、特に20世紀後半になってからは、“情報を発信する”側に立てることで、より大きなメリットが得られるようになったと考えるのはどうだろう。
水星と木星の吉角の現れ方も、時代とともに変わってきたということだ。

テレビがどれだけ多くの人にビックチャンスを与えてきたことか。有能な素人さんや無名な芸人さんを短期間にスターにのし上げてきた。古くは、欽ちゃんの司会を務めた「スター誕生」とか、「エンタの神さま」とか・・・数え上げたら、きりが無い。

さらにバブルが終わって、景気が低迷して・・・最近は、輝かしい才能が無くても、テレビ画面に出られるようになったような感があるんじゃないかな。敷居、ハードルがぐっと低くなったというか。

だが、これはメディア側の都合であろう。
今、テレビの制作費は低下する一方だ。となると、費用を抑える方法をいろいろと考える。
でも、視聴率は取りたい。取らねばならない。
一方、テレビ界にはおそらく一つの諦めがあるように思われる。“どうぜ昔のように視聴率20%越えを取るなんて無理だろう” 
こうなると“制作費に対して、そこそこ視聴率を取っていこう”という妥協的な考え方だ。効率的というべきかな。ヒットを狙うなんていう野望と賭けはやめて、70点くらいの成績を出して細く長く生き残ろうという発想なのだ。私にはそれが蔓延しているようにも思えるが、それだけテレビという産業が成熟した証拠なのであろう。
そうなると、さらに制作費を減らして、“費用対効果”で評価されることを考える。制作費は低いが、その割りに視聴率を取っているという認めれ方を選んでいくということだ。

今は、その傾向が強くなってきたというか、定着してしまった。新しい芸人がすぐに多くの番組のレポーターなどに多く採用されるのは、やはり出演料と視聴率との費用対効果によるものだろう。実力が安定していない分、視聴率が取れないとすぐに使い捨てされる。視聴率は分単位で出ているので、その出演者が画面で話している時に数字が取れているかどうかはすぐに判別されてしまうのだ。

マツコ・デラックスさんの番組なんかは、その道のエキスパートというか、オタクな一般の方がゲストになって、出演者2人で番組が進行している。しかもゴールデンタイムである。20年前には考えられなかったタイプの番組だ。そういった才能ある一般人を探すのは手間の掛ることであるが、それにも増して、費用対効果があるのだろう。もちろん、番組そのものの魅力は、話を上手に盛り上げるマツコさんの力に寄るところは大きい。

このような条件が揃ってきて、タレント性のある一般人でもテレビに出られる機会がぐっと増えたのだ。
一般の人でも、“出る人”“作る人”“見る人”の中で、“出る人”つまり発信する側になれる機会が増えてきたということだ。もちろん、一般の方でも“出る人”になることが、一番メリットが大きい。

そんなこともあって、水星と木星の吉角による“情報によってメリットがある”“情報によって大きくなる”という星の作用は、耳よりな話を受けるという情報の受け身から、情報を発信することでより大きな恩恵を受けるという方向に変化してきているのだろう。

人と“情報”というものとの接し方が変わったのだ。

時代や社会環境によって、星によって出てくる現象は変わっていく。
だから、星占い師のアドバイスの仕方も変わってくる。

そんな話をすると、今さら何をと思う人もいることだろう。
Twitter やYouTubeでは、とっくに誰でも情報を発信する側になっている。

まぁ、星占い師として言えることは、もしメディアを通じて何か発信したいことがあれば、自分の水星と現行の木星ができれば0度、そうでなければ、120度、60度の吉角を形成する時期を狙うことだ。
もしくは、自分の木星に対して、現行の水星が0度、120度、60度吉角を組む時。ただし、こちらの方は期間が数日と短いので、狙いにくい。

その時期になったら、ブログ、自分のサイト、Twitter、インスタグラムなどで積極的に発信していこう。返ってくる効果が大きくなっていることだろう。その発信したものが、より大きなメディアに取り上げられて、さらに広がっていくかもしれないし。

では、皆さん、水星の動きを利用し、情報戦で優位に立って、なりたい自分自身への実現にご活用してください。
健闘を祈るっ。

ちなみに今は、現行の水星と木星と冥王星が、グランドトライン、幸運の大三角形を形成していますから、情報が社会や人類に、財や利を与えるかもね。
また同時に、この3つの星のどれかに自分の星が重なっていたら、ほんま、自分を売り込むチャンスでっせ。