親子というのは、難しくて当たり前。

友人とか、カップルとかの場合は、相手を選ぶじゃない。そりゃ、何かしら、いい相性の星並びがあったりするわよ。もしくは惹きつけ合うような星並びとかね。

でもね、親子はそうじゃないのよ。もうほんとにただの偶然だから、相性が良くても、悪くても、親子は親子。

だって、お互いに選べないからね。星並びに関係なく、ただ生んだ、生まれたということだけ、なんだからね。

だから、鑑定をしていても、ほんとにいろいろな相性がある。

すごく良い場合もあれば、そうでない場合もある。普通だったら、友人にもならないような相性の親子なんて、そりゃ山ほどあるわよ。だから、親子が難しいのは当たり前なのよ。

さらに、血のつながらない親子となるとね、これはこれで余計に複雑になるわけよ。

 

福岡市内に住むKさん(40代後半)は、20歳近く離れた夫と8年前に結婚し、一緒に暮らしている。

夫は再婚で、前妻が生んだ息子(長男)がいる。その長男は大学生になっていて、今は東京で暮らしているという。

ほかにKさん自身が生んだ子供(次男)がいて、まだ7歳。仕送りをする大学生の長男と、小学生になったばかりの次男とで、忙しい日々を送っている。Kさん自身は、仕事もしているしね。

 

で、血のつながっていない長男とは、夫と結婚してから、ほとほと手を焼いてきた。Kさんが結婚した時、長男は中学生だった。父親が大学の先生で、中国の大学で研究の仕事をしてきた。そのため、ずっと中国で過ごしてきたのだけれど、おかげで日本語がほとんど話せない。インターナショナルの学校には通っていて、何となく英語はできるのが、日本語がね、十分じゃないみたい。それでもって、高校生になって、日本にやってくるのだが、日本語をまったく覚えようとしない。

福岡は刺激的だったみたいでね、ライブに行ったり、クラブに行ったり、いつも遊んでばかりいたそうよ。女の子にもよく声を掛けていて、家にもよく連れ込んでいたみたい。まぁ、モテていたとも言えるけどね。

青春を謳歌するのは良いが、そんなことしていたら、当然、大学に入ろうにもひどく苦労する。高卒でもいいじゃないかと思うかもしれないが、そこは父親が大学の先生だからね、大学は行かせたいわけよ。

で、Kさんが日本語を教えるのに、奮闘するのだが・・・長男の方は、聞く耳持たずに、家に居てもスマホのゲームばかり。長男は、最初、まったく大学へ行く気が無かったのだが、まぁ、東京で一人暮らしができるのならと、頑張ったらしい。

 

で、Kさんと長男の相性をホロスコープで診てみる。

 

kさんと息子【ホロスコープ初心者の方のためにアスペクト(角度)のことを簡単に解説:星同士の角度が0度、60度、120度の時は吉角と言って、良い働きをする角度。90度、180度、つまり直角か、真裏に星が来ると、凶角と言って、害になる影響を与えやすい角度となる】


(今回の図は、生まれた時間が分からないので、月を省いております。)

【左のチャート図の線は、2人の相性のW(ダブル)大判振る舞い星のTスクエアしか描いていなくて、ごめんなさいね。下に書いたこと全部、線で示すと、線だらけになってしまうからね。】

 

内側のホロスコープがKさん。外側は息子さん。その2つを重ねるのだけれど・・・。

Kさんはもともと太陽☉と土星♄が0度で重なっていて、真面目な人。でも、その土星に対し、火星♂と冥王星♇が180度凶角になっていて、Tスクエアを形成している。何事も一途になって、ストレスの溜め込みやすい性格かな。

長男は、水星☿と土星♄が凶角180度になっている。土星はルールという意味、水星は知性。凶角になると、土星のルールという意味は、逆の意味になる。だから、これは“ルールを破る知性”。つまり良くも悪くも、ルールや決まり、一般常識にはとらわれない思考を持つ。

水星☿と海王星♆も凶角180度凶角。海王星が、夢見る夢子という意味があるのだけれど、これは“夢を見過ぎる知性”となる。妄言を言うとか、あまりに理想が高すぎるとか。

まぁ、長男はあんまり常識にはとらわれない、ふわふわさんになるかな。一方で、金星♀と冥王星♇が吉角120度を持っていて、美、遊びを徹底的に追うという意味があって、オタクか、趣味人か、遊び人か。

 

2人の相性を診ると、Kさんの木星♃に対し、長男の冥王星♇が90度凶角になっている。また火星♂は180度凶角位置になっていて、Tスクエアの形になっている。Tスクエアとは、文字通り“T”の字形をしているのだけれど、180度凶角と、90度凶角が組み合わさったもので、強い凶角になる。木星♃と冥王星♇の凶角は“大盤振る舞い星”と私は呼んでいて、労力を多く使ってしまう星並び。それに火星♂がさらに凶角となっているから、悪い方にパワーがアップしてしまっている。実は、長男の木星♃とKさんの火星♂、冥王星♇、土星♄、太陽☉もTスクエアとなっている。

つまり、大判振る舞いのTスクエアが2つもあるということ。W(ダブル)大判振る舞い星。これは消耗感激しく、くたくたになるような労力を使ってしまいそう。

相性で大判振る舞い星が出来る時というのは、例えていうなら、お子さんに障害がある時に、親子の相性でできることがあるわね。

さらに、Kさんの金星♀と長男の土星♄が180度凶角になっている。遊び、趣味の金星♀に、ルール、規則が無くなるという土星♄の凶角の意味で、私は“快楽ざる星”と呼んでいる。これが相性でできると、注意しない関係になる。

例えば、この快楽ざる星が、会社と社員の関係でできると、遅刻しても叱られない立場だったりする。親会社から子会社に出向してきた人とか、特殊な研究職だとか・・・。おそらく、Kさんは、夫の連れ子で、年も親子ほどは離れていなくて、距離感がつかめずにいたのかもしれないわね。だから、あまり注意できないと。

 

Kさんが長男のことで気になるのは、彼の金遣いの荒さだったそうよ。

それは、前妻の影響かもしれない、と怖れたそう。実の母親ということね。

夫は前妻にはひどい目に遭ってきたらしい。もともと前妻は、大学で教えていた夫の、中国での教え子だったんだって。夫が若い頃、結構モテる人だったらしくてね、多くの女子生徒たちから羨望のまなざしを受けていたと。

そんな競争を勝ち抜いて、前妻は夫をゲットし、結婚したそうなのよ。

ただ前妻はお金に対する欲求が高かったみたいでね。使い方も派手だったらしい。全身、ブランド物で身を包むような・・・まぁ、バブル世代だから、そういうこともあるかもね。

一方、自分の意にそぐわないことは、全力で阻止するようなところもあってね。夫が他の大学から誘いがあっても、勝手に電話でその話を断ってしまったこともあったんだって。引っ越しが嫌だったから。

最後には、前妻は別の男と付き合うようになり、離婚することに。まぁ、不倫というやつね。

その不倫相手と再婚したわけだけど、その相手というのが、中国人の経営者さんらしくて・・・まぁ、お金持ちだったのよね。で、今まで以上に、ブランド物で身を固め、海外旅行、グルメ三昧の羽振りの良さになったそうで。

夫はいい人だから、“ぼくといっしょに居ても、そんなに贅沢させてやることができないから、それでいいよ。”って別れたんだとさ。

 

前妻

前妻のホロスコープを診てみると、火星♂、木星♃、海王星♆がグランドトライン(正三角形)を形成している。グランドトラインは、120度吉角が3つ重なった吉角の詰め合わせ。感情を示す海王星♆が、木星♃で膨らみ(浮かれて)、火星♂で勢いづいて前向きになっている。火星♂、木星♃、海王星♆のグランドトラインは超前向き、超ポジティブなんだけど、もうそんな次元を越えて、“反省しない人”の域になっている。空気が読めない、図々しいというレベルをも越えているわけよ。

そこに金星♀も加わっている。つまり、どんな星並びが加わるかというと、金星♀と海王星♆はおしゃれ、色気、金星♀と火星♂はエロ星、金星♀と木星♃は人気、愛情星。

つまりね、金星♀、火星♂、木星♃、海王星♆のグランドトラインは、簡単に言えば、おしゃれで、スケベで、人気があって、ちやほやされて、浮かれた人ね。そこへ木星♃と冥王星♇の180度凶角があるのよ。このような形をカイトという。カイトとは凧という意味だけど、木星♃と冥王星♇の180度凶角の作用は出るけれど、それが、グランドトラインの効果を引き寄せるという意味になるのよ。

で、木星♃と冥王星♇の180度凶角は、上にも出した “大判振る舞い星”。個人の性質として持つ場合は、大きく稼いで、大きく使おう、とか、貧乏くさいことが嫌いみたいな性格になる。

それがカイトになっているわけだから、大判振る舞いな性格、行動が、浮かれとおしゃれと人気と反省しないほどの超ポジティブさを持ってくるというわけ。

さらに、この前妻は、金星♀と土星♄の凶角90度は、“快楽ざる星”も持っている。これは、自分の好きなことに、ブレーキが効かない。タガが外れたような感じで、没頭してしまうのよ。

(快楽ざる星は、線で描いておりません。)

 

まぁ、こんな性格だからね、もともと 大そうな女なのよ。

ここではホロスコープチャートは省略させてもらうけど、夫と前妻の相性はね、この前妻の性格、行動によって、大きく財運を落とす、大いに労力を使い果たしてしまう、好き放題にさせてしまう星並びができてしまっていたのよね。

 

Kさんは、まだ夫が前妻と夫婦だったころ・・・その頃、Kさんは夫とは知り合いだったそう。中国で、冬のある日、大学から少し離れたところを歩いていたら、人の気配がある車が停まっていて、何だか怪しい雰囲気だったので、ふと覗いてしまったと。そしたらね、前妻が他の男と車の中で、ラブラブ&エッチなところを見てしまったんだって。その頃は、まだ自分が今の夫と結婚するなんて思っていなかったから、まったく他人として、夫に伝えることもなく、ただただ前妻のやることに驚かされたそうで。

 

長男もお金の使い方がだらしないのも、前妻のそんな姿を見て育ったから・・・。

大学の先生といっても、そんなに裕福なわけではない。もし、前妻のような人間になったら、どうしよう。

だから、私がしっかりとお金の大切さも教えて行かねばならないと気合を入れたりしたのだが、どうにも空回りで、効果が無かったみたいなのよ。

で、長男が東京に行った今も、そんなことが悩みで、心配で仕方ないと。大丈夫かしら、と。

で、私に鑑定を依頼してきたわけですよ。

 

でもね、上に書いたけど、この相性じゃ、お互い労力をただただ使い果たしてしまいそうな感じ。

距離を置くしかないんじゃないかしらね。

と言っても、 “距離を置く” 、つまりほど良い距離感を持つというのは、親子では難しいわけでね。

 

で、いろいろ話をしているうちに、前妻のエピソードが次々に出てきたのよね。

夫がKさんと再婚した後、偶然、福岡市内のパブで前妻と出くわしたことがあったんだって。

とんでもなく身勝手で、お金に執着しつつも金使いの荒い女。そして夫と長男を捨てて、お金持ちの男のところへ行ってしまった女。そんな話をさんざん夫から聞かされていたから、できれば、Kさんは一生顔を合わさずにいたかった。

夫も、Kさんと前妻とは会わせたくなかった。凍ったような、高い壁のそびえる、何とも居心地の悪い空気になってしまうだろうからね。

でも、超前向きな前妻は、店内に夫を見つけるや否や、“やっほぉー!”という感じで、その重厚で硬い壁をあっけなく飛び越え、空気を読むことなく、“せっかく会えたんだから、楽しく飲みましょうよ”とやってくる。

 

薄暗いパブのお店の中は、賑やかな騒ぎ声がお店の天井に当たって、響き渡っている。他のお客たちは絶え間なくおしゃべりし続け、ガヤガヤしていてお互いの声が聞き取りにくい。ラテン調の音楽が流れて、店内ではしゃいでいる若者もいる。

騒々しくも、ぎこちない空気の中、Kさんは、前妻と対決するような気分だったという。

刺すか刺されるかの緊張感の中、睨みつけるも、前妻を見ていると吐き気がするので、目をそらす。

心の中で “お前のせいで、こっちは苦労してんだよっ!” と怒鳴りつけているのが、自分には良く聞こえる。

Kさんは普段から煙草を吸うのだが、話すことが無いので、ついつい止まらず、続けて何本も吸ってしまう。煙草の煙がちぎれた雲のように流れていく。

 

前妻 「私にも1本ちょうだい。」

 

ふーっと美味しそうに吹かした後、もう一方の手のグラスでビールを飲んでいる。

前妻は、その中国風の化粧の濃い顔に、へらへらと笑みを浮かべる。

 

前妻 「どう? 夫は家のことをやってくれる? 家事上手いでしょ。」

 

話は次第に、夫の愚痴になっていき(唯一の共通の話題だからね)

・・・お酒も進んでいき・・・会話は少しずつ盛り上がっていき・・・

 

気付いた時には一緒に踊っていたそうよ。 なんじゃ、そりゃ。

 

間抜けな笑い話のよう。その話を聞いた時、私は気になって、Kさんと前妻の相性を診たのよ。

kさんと前妻

前妻の浮かれ、おしゃれ&色気、人気、超ポジティブ、陽気のグランドトライン上に、Kさんの水星☿、金星♀が乗っている。Kさんは水星☿、金星♀が0度吉角で重なっているが、これは“おしゃべり星”といって、場を賑やかにする星並びを持っていて、それが乗っているということ。

つまり、前妻の浮かれ、おしゃれ&色気、人気、超ポジティブ、陽気のグランドトラインとKさんのおしゃべり星がクロス合体してしまい、一緒にいると、かなり楽しくなってしまう相性だわな。

しかももう一方のKさんの木星♃と前妻の水星☿も120度吉角。水星はコミュニケーションを意味する。この星並びができると、五言えば、十伝わるような、ツーカーの相性となる。

Kさんのおしゃべり星に対し、前妻の水星☿が凶角90度位置にある。これは、おしゃべりし過ぎて、ノンストップになってしまうというもの。

(左のチャート図は、前妻のグランドトラインと、Kさんのおしゃべり星のみを線で描いています。他にも多くありますが、分かりやすくするためです。ご了承下さい。)

年齢は10歳以上離れているが、この2人なら、すぐに楽しく、意気投合してしまうわな。

 

前妻のグランドトラインとKさんの金星♀を見ると、Kさんの金星♀と前妻の火星♂が0度吉角で重なっている。エロ星だ。

エロ星ができると、同性でも、いちゃいちゃしてしまう。肌の接触を好む星並びなのよね。

 

「私、酔って、踊っているうちに、前妻とキスもしちゃいました。

女同時のキスは初めてだったわぁ~。」

 

あらあら。

このホロスコープを診れば、お互い、口ケンカをしたり、重圧を与え合うような、“痛い”星並びが無いのよね。

これは盛り上がる相性よね。楽しくて仕方ないかもね。

 

「実は、私、こういう生き方でできる人って、すごいなというか、まぶしく感じてしまったんですよ。

ホロスコープを見て気づいたのですが・・・私、前妻さんのことが好きなんですよね。

なんとなく、そんな気も、どこかでしていたんですよ。

今思えば、中国で、前妻が車の中で他の男とエッチなことをしているのを見た時も、その奔放さが羨ましかったんだな。」

 

ホロスコープが描いているのは、素(す)の姿なのよね。

素描、スケッチのようなものなのよ。そこに悪意や褒める気持ちなんてものは何もないのよ。

宇宙から見たら、人間の行いなんて、小さなもので・・・法律も、常識も、価値観も、お金も、病気も、どっちでもいい、小さなものだからね。

 

夫を間にはさむから、ややこしいことになるだけで・・・素のあなたたちは十分に仲良しになりうる関係なのよ。

 

Kさんは、憑きものが落ちたような、さっぱりとした表情になった。

 

でもね、私は、ホロスコープに出る、その素の関係だけを見て行動しなさいとは言わない。

夫のこと、過去のことは水に流しなさいとは言わないわよ。

人間の社会は、宇宙から見たら小さく、狭く、その価値観は偏っているのかもしれない。だけど、その中で私たちの生活や秩序、習慣、文化が成り立っているのだからね。

 

Kさん、あなたが前妻と、ホロスコープどおり仲良くなるのは、どうなのかしらね。

現実には難しいかもね。夫とこれからも暮らしていくわけだからね。

 

でも、Kさんは、この鑑定で、何かを見い出してくれていたみたい。

晴れやかに帰って行ったわ。

 

鑑定してから数日が経って、Kさんからメールがやってきた。

夫に、 “長男のことは諦める宣言” したんだって。

ホロスコ―プをいろいろ見ていたら、もう “どうでもよくなっちゃった” んですって。

 

同じようなことを長男にも伝えたら、返信が来たそうで。

 

「了解! それでも、ぼくらは家族だからね。」

 

やっと、肩の力が抜けたのね。

結婚した時には、もう中学生になっていた長男。母親として、しっかりとした教育をしようと頑張った。

前妻が自分勝手で、自由奔放だったから、長男を前妻から引き離すように、自分が何とかしなきゃと思ったのよね。

でも、実は自分は前妻のことが、とっても好きになれる人だと分かった時・・・呪縛が解けたのね。

 

親子は選べないから、相性がいいとは限らない。

でも、親子はこうあるべきだという像に縛られない方がいいわね。

責任とか、義務とか、難しく考え過ぎない方がいい。自分のできることは限られているから。

どんな形にしろ・・・それでも、ぼくらは“家族” なんだからね。